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贈与が認められない可能性もある? 生前分与の注意点を解説

2024年04月25日
  • 相続税対策
  • 贈与
  • 認められない
贈与が認められない可能性もある? 生前分与の注意点を解説

令和3年度(2021年度)に愛知県豊橋市に寄せられた財産に関する相談は410件、税に関する相談は21件でした。

生前贈与を効果的に行えば、相続の際に発生する相続税を軽減できる可能性があります。ただし、不適切な方法で生前贈与を行った場合には、税務調査で贈与が否認されて相続税を支払うことになってしまう点に注意が必要です。

本コラムでは、相続税対策としての生前贈与の注意点や、税務調査で贈与と認められないおそれがある場合について、ベリーベスト法律事務所 豊橋オフィスの弁護士が解説します。

1、生前贈与の基礎知識

「生前贈与」とは、財産の所有者の存命中に行われる贈与のことです。
生前贈与は相続対策のために行われる場合があります。

  1. (1)贈与とは

    法律上では、「贈与」とは贈与者が受贈者に対して財産を無償で与える契約のことをいいます(民法第549条)。

    <贈与の例>
    • 父親が子どもに対して、家の新築費用として1000万円を贈与した。
    • 祖父が大学生の孫に対して、生活費の足しになるように50万円を贈与した。
    • 息子夫婦が家を建てられるように、父親が息子に対して土地を贈与した。


    贈与は、贈与者と受贈者の合意によって成立します。
    また、贈与契約書の作成は必須ではなく、口頭の合意による贈与も可能です。
    ただし、書面によらない贈与は、履行が終わった部分を除いて取り消すことができます(民法第550条)。

    贈与者の存命中に行われる贈与を「生前贈与」、贈与者の死亡によって効力を生じる贈与を「死因贈与」といいます。
    また、遺言による贈与は「遺贈」と呼ばれ、通常の贈与とは区別されています。
    なお、死因贈与については、その性質に反しない限り遺贈に関する規定が準用されます(民法第554条)。

  2. (2)生前贈与のメリット

    相続対策において生前贈与を利用することには、主に以下のようなメリットがあります。

    ① 若い世代が財産を活用できる
    高齢世代の親が子どもや孫に生前贈与をすることで、若い世代が財産を活用することが可能になります。
    子どもや孫が、生活費や教育費や住宅購入費などの出費が多々あるのに収入が十分でない、という状況にいる場合には、生前贈与は大きな助けとなるでしょう。

    ② 相続トラブルの予防につながる
    「誰が相続するか」についてもめそうな遺産を生前贈与によってあらかじめ譲渡しておくことで、相続トラブルのリスクを抑えることができます。

    ③ 相続税を軽減できる場合がある
    後述する基礎控除や非課税制度などを利用して、無税または少額の課税であらかじめ財産を贈与して相続財産を減らしておくことで、相続税の軽減につながる可能性があります。
    ただし、相続発生前3年以内に行われた生前贈与は相続税の課税対象となる点に注意が必要です(相続税法第19条第1項)。
  3. (3)生前贈与のデメリット

    生前贈与は、以下のデメリットを伴う場合があります。
    相続対策として生前贈与を行う際には、デメリットによる弊害も考慮したうえで、慎重に検討することが大切です。

    ① 贈与財産の管理が負担になる場合がある
    金銭ではなく不動産などを贈与する場合、受贈者にとって管理が重荷になる可能性があります。
    受贈者の居住地から遠方の不動産や、価値の低い不動産などを贈与する場合は、とくに注意が必要です。

    ② 贈与税が相続税よりも高額になる場合がある
    基礎控除や非課税制度を考慮しない場合、一般的には、贈与税は相続税よりも高額になります。
    高額の財産を贈与する場合や、非課税制度の要件を満たさない場合には、贈与税の方が相続税よりも高くなることがある点に注意が必要です。

2、相続税対策になる生前贈与の例

以下では、生前贈与に相続対策としての効果を発揮せるための方法について、具体的な例を解説します。

  1. (1)毎年110万円以下の財産を贈与する

    原則として、贈与税は1月1日から12月31日までに受けた贈与に対して課されますが(=暦年課税)、その際に110万円の基礎控除が適用されます。
    したがって、毎年110万円以内であれば無税で財産を贈与できるため、相続税の軽減につながります。
    このような方法を「暦年贈与」と呼びます。

    ただし、相続時精算課税制度の適用を受ける生前贈与については、暦年課税の基礎控除の適用を受けることができなくなる点に注意してください。

  2. (2)子どもや孫に住宅の取得資金・結婚資金・教育資金を贈与する

    贈与を受ける年の1月1日時点で60歳以上の直系尊属(父母・祖父母など)から贈与を受ける場合には、その目的に応じて、以下のような非課税制度の適用を受けられます。

    ① 住宅取得等資金の贈与の非課税特例
    居住用住宅の家屋の新築・取得・増改築等を行うにあたり、必要な資金の贈与を受ける場合に適用されます。

    ② 教育資金の一括贈与の非課税特例
    30歳未満の方が教育資金の贈与を受ける場合に適用されます。

    ③ 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例
    18歳以上50歳未満の方が結婚・子育て資金の贈与を受ける場合に適用されます。


    なお、いずれの非課税特例についても、必要書類を添付したうえで贈与税の申告をする必要があることに注意してください。

3、税務調査で否認されるおそれあり|非課税と認められない生前贈与の例

生前贈与の方法によっては税務調査が行われた際に非課税と認められず、相続税や贈与税が課税される可能性があることに注意が必要となります。
税務上、非課税として認められない生前贈与の典型例は「名義預金」と「定期贈与」でしょう。

  1. (1)名義預金|受贈者の預金口座を贈与者が管理している場合

    「名義預金」とは、口座名義人と実質的な権利者が異なる預貯金のことをいいます。

    たとえば、親が子どもに対して金銭を贈与し、その金銭を子ども名義の預金口座に預けたとします。
    しかし、その預金口座を管理しているのが贈与者である親の場合は、親から子どもへの贈与がまだ行われておらず、預金の権利者は依然として親であると評価されてしまいます。
    この場合には、暦年課税の基礎控除によって無税で贈与していたつもりでも、親が亡くなって相続が発生した際には相続税の課税対象となる可能性がある点に注意が必要です。

  2. (2)定期贈与|毎年一定額の贈与があらかじめ決まっている場合

    「定期贈与」とは、毎年一定額の金銭を贈与することについて、事前に一括して合意することをいいます。

    たとえば、毎年100万円を10年間にわたって贈与する旨をあらかじめ合意することは、定期贈与となります。
    このような場合には、合意時点で贈与の総額について経済的利益が移転したものとみなされ、1000万円に対して贈与税が課されます。
    つまり、基礎控除110万円の範囲内で毎年贈与をしていたつもりでも、多額の贈与税が課されてしまうことになるのです。
    とくに、贈与の都度契約書を締結しておらず、毎年同じような時期に同額の贈与をしている場合は、定期贈与とみなされる可能性が高いことに注意してください。

4、相続対策は税理士と連携した弁護士に相談を|相談のメリット

相続対策として生前贈与などを行う際には、税理士と連携した弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)法律・税務の両面から相続対策ができる

    税理士と連携した弁護士に相談すれば、法律・税務の両面から適切な相続対策を行うことができます。

    遺産分割に対するトラブルを防ぎつつ、相続税を軽減して多くの財産を次世代に残したい場合には、税理士と連携した弁護士のサポートを受けましょう

  2. (2)家庭の状況に合わせたシミュレーションができる

    どのような相続対策を行うべきであるかは、財産の額と種類、相続人の構成など、家庭の状況によって異なります。

    税理士と連携した弁護士に相談すれば、遺産分割トラブルのリスクや相続税額などについて、家庭の状況に合わせたシミュレーションを行い、相続対策の参考にすることができます

  3. (3)実際の相続手続きへの対応も依頼できる

    税理士と連携した弁護士には、実際の相続手続きへの対応についても幅広く相談や依頼をすることができます。

    遺産分割協議については弁護士が調整を行って相続税申告については税理士が行うなど、柔軟な対応が受けられるでしょう。

5、まとめ

基礎控除や非課税特例を利用した生前贈与は、相続税対策として効果的です。
ただし、贈与の方法によっては税務調査で非課税と認められずに相続税や贈与税が課される可能性がある点に注意しましょう。

生前贈与などを通じて、相続トラブルの予防と相続税対策を一挙に行うためには、税理士と連携した弁護士に相談することをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所には相続に精通した弁護士に加えて税理士も在籍しており、法律・税務の両面からワンストップでご対応いたします。
相続に向けた対策をご検討中の方は、まずはベリーベスト法律事務所 豊橋オフィスにご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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